ブックタイトル東プロだより-NO.419

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概要

東プロだより-NO.419

6 No.419業界情報 Industry information 新型コロナウイルス感染拡大が及ぼしている経営課題の難しさは、世界共通のようです。この度、電通インターナショナル社が世界の主要12市場の1,361名のCMO(最高マーケティング責任者)に対してコロナ禍におけるCMOの課題や自社の戦略に対する意識調査「CMO調査2020」を実施しました。その結果、CMOが直面している現在の最大の課題は、コロナ禍が生活者の消費行動にどのような恒久的な変化をもたらすかを理解・洞察することだという結果でした。 そしてCMOの約3分の2(62%)が、調査時期から12カ月間はマーケティング予算を削減あるいは横ばいにする見通しであり、CMOが直面する課題がさらに困難なものになると考えているということでした。また新しい戦略的思考が不十分なため、CMOの約半数(49%)が過去の不況時に採用したアプローチに基づく回復戦略を策定しており、新たな戦略を検討しているのはCMOの10人に1人にとどまっています。 しかしその一方で、「フロンティアCMO」とも言うべきCMOも台頭しており、商品・サービスの開発を通じて変わりゆく時代の中で変わらない理念を体現する「戦略的なマーケティングアジェンダ」を実現する動きが生まれてきていることも指摘しています。 「フロンティアCMO」が追究する戦略には、①ハイパーエンパシー:超共感、②ハイパーアジリティー:超機敏、③ハイパーコラボレーション:超連携、④ハイパーコンソリデーション:超整理統合、⑤ハイパートランスパレンシー:超透明、の5つが含まれているといいます。 具体的には、データ分析を通じて生活者による消費行動を統合的に理解する能力を開発し、新たなメッセージや製品やサービスを迅速に開発していきます。さらには全ての要素の統合化を進め、ブランド統合やM&Aを通じた回復力の構築、事業のあらゆる側面でマーケティングの目的を浸透させるなどに取り組んでいくということです。 そして「フロンティアCMO」は、他のCMOよりもデジタル・トランスフォーメーションを管轄するケースが非常に多く、ビジネスや業界の未来を先導する能力や経営層への影響力が大きいと分析しています。「CMO調査2020」の詳細レポート(英語のみ)は無償でダウンロードできます。https://www.dentsu.com/sg/en/reports/cmo_survey_2020_31eb6f5消費行動が経営の共通課題戦略的フロンティアCMOも登場