ブックタイトル東プロNO.417

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概要

東プロNO.417

6 No.417業界情報 Industry information 社会がコロナ禍で満身創痍の中、企業成長のための指針の一つとして「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が注目されています。 DXとは、高速インターネットやクラウドサービスあるいはAI(人工知能)などのIT技術によりビジネスや生活の質を高めていくことを指しており、企業活動においてはITを活用したビジネスモデルの変革やそれに伴う業務、組織、企業文化などの変革も含まれます。 米・IDC社の調査では、2020年のDXの世界市場(支出額)は前年比10%以上拡大の約1兆3,000億ドルになると予測しています。新型コロナウイルスの感染拡大による経済縮小の影響があるとしても、金融、インフラ、製造など幅広い業界において増加することが見込まれています。 DXへの取り組みは経済産業省でも昨年7月に『「DX 推進指標」とそのガイダンス』を発表するなど推進している取り組みの一つであり、またむしろ、コロナ禍だからこそ進むことも予測できます。 では、DXによってどのような効果が期待できるのでしょうか。それについては船井総合研究所がまとめている内容を紹介します。①コロナ禍で集客が対前年比50%減少した住宅会社が、CRM(営業管理クラウド)×リモート営業を導入して営業ロスを軽減し、営業品質アップを実現で、業績が対前年比130%以上になった②焼肉店が注文・配膳のデジタル化とロボット化のシステムを導入してホールスタッフを50%削減する省人化によりコロナ禍でも黒字経営を達成③機械工具・産業機器の卸会社が脱展示会営業を決断し、デジタル集客×CRM×マーケティングオートメーション(デジタル営業)のデジタル営業戦略の実施で業績が2倍に④大衆食堂が過去の気象・来店・注文データを基にAI解析して1日の来店数・商品別注文数を予測。効率やロス軽減で売上4倍・利益6倍、廃棄物も減少などがあります。 これを見ると、DXへの取り組みは、業種・業態を選ぶことなく、企業に応じた様々な導入方法があることがわかります。印刷業界でも、全印工連が新たなプラットフォームとして「印刷産業デジタルトランスフォーメーション」の開発に着手することを発表しています。DXに決まったスタイルはありません。コロナ禍という人々の意識が大きく変わりつつある今こそ、改善・改革のタイミングとしてDXを使った企業改革を考えるのもよいのではないでしょうか。進むDXへの動き企業成長のための指針として