ブックタイトル東プロだよりNO.401

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概要

東プロだよりNO.401

6 No.401業界情報 Industry information 現在、印刷業界内では、紙などの諸資材の高騰が続いており、特に昨年の値上げ幅の高さなどが影響し、紙の買い占めをしている企業もあるといわれています。こうした状況を背景に、全日本印刷工業組合連合会と全日本印刷産業政治連盟は2月12日、東京都千代田区の自民党本部で開かれた自由民主党・中小印刷産業振興議員連盟の総会で、印刷・情報用紙の一斉値上げと再生紙の供給状況について説明すると共に、印刷用紙の安定供給・安定価格の実現と、官公需における適切な予定価格遵守、グリーン購入法における再生紙の対応について要望しました。 当日、臼田会長からは「全国4,551社の組合員のうち3,419社が東名阪を除く各地方におり、その大半の多くの仕事が官公需で占められ、年度末の3月に仕事が集中する。それに対し、印刷用紙は値上げに端を発して不足状況にあり、グリーン購入法に対応する再生紙は供給の停止や製造中止が発表されている。代替品で対応する省庁もあるが、この状況が続くと、再生紙ではないものが、再生紙として世の中に出回る恐れもある」と懸念表明しました。また「紙の値上げそのものに真っ向反対するわけではない。紙の価格は数年下落し、印刷料金も下降している。供給側の一人として印刷会社も付加価値を高める努力を続けなければならないが、期間のない中での不透明な一斉値上げで、供給をコントロールしてモノが流れないようにし、値上げを受け入れても供給されない。用紙製造は注文後、約3ヵ月かかると言われており、大量発注が入っても間に合わなくなる。モノが供給できないということも発生しかねない」と紙の流通の現状についても述べました。 印刷・情報用紙の値上げは2006年以降、9回実施され、用紙の値上げ後に生産量が増やされるため、需給が緩み価格が下がる。需要と供給で価格が上下する状況の繰り返しとなり、その度、印刷会社は用紙のコスト増を顧客に転嫁できず、自社で吸収するようになり体力が低下する構図が続いています。 また全国各地で広範囲の紙種で供給が不足する事態となっています。再生紙に至っては、受注生産や一部生産の見合わせ、ラインナップを減らすなどの動きがあります。一方、環境省はグリーン購入法の法律に則って印刷用紙の総合評価値80以上を求める施策を打ち出しており、対応用紙を入手できない事態になりつつあるのが現状です。用紙問題で意見交換自民党中小印刷議員連盟へ要望議員連盟総会で中小印刷業の現状を述べる