ブックタイトル東プロだよりNO386

概要

東プロだよりNO386

6 No.386業界情報 Industry informationデジタル印刷をめぐる印刷ビジネスの変革が加速しています。すでに、各メーカーから印刷ロット・サイズに合わせた、あるいは付加価値の高い印刷物まで可能にする多様なデジタル印刷システムが登場し、１部から、あるいは数部から十数部という極小ロットや小ロット印刷にも、従来通りの印刷サービスが提供できる環境が整いつつあります。そうした中、１部からの書籍印刷ビジネスをいち早く成功させ、ビジネスを拡大させてきた米国のIngram Content Group傘下のオンデマンド出版大手Lightning Source LLC（以下、ライトニンソース社）が、米国HP社と大規模契約を締結したことを発表しました（10月19日）。これにより、ライトニングソース社では、2024年まで「HP PageWide Web Press」を優先的なインクジェットデジタル輪転印刷機として選定し、24台の「HP PageWide Web Press T240 HD」と、サービス、消耗品を発注することを表明しています。HP社においても、グラフィックス事業における過去最大規模に上る契約内容で、書籍出版社の物流、販売モデルに変革をもたらすものとして期待しています。ライトニングソース社は、オデマンド印刷を活用した１冊からの書籍を制作するワークフローを構築し、アマゾンなどの書籍販売ビジネスを加速させたことでも知られています。今後、「HP PageWide Web Press」を導入することで、コート紙に高品質なカラー/モノクロ印刷を１分間に最大500フィート（約152m）のスピードでの印刷が実現し、これまでにないデジタルの生産性と印刷量の提供が可能になるとしています。都内でも連帳のインクジェット印刷機とデジタル印刷機対応の後加工機を連結させ、１冊からの冊子印刷を可能にするワークフローを構築してサービスを開始している印刷工場が登場しています。デジタル印刷を活用した書籍および冊子の少部数化は、在庫管理をなくし、必要部数だけ、タイムリーに、ターゲットを絞った内容を提供する仕組みとして注目されています。追い刷・増刷対応の手法としてすでに導入されてきましたが、今後、書籍市場において、こうしたワークフローの採用がさらに進むことが見込まれています。書籍市場へのデジタル印刷の波必要部数のみ制作し、提供する