ブックタイトル東プロだよりNO381

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概要

東プロだよりNO381

富士フイルム完全無処理CTPプレート『SUPERIA ZD』導入事例株式会社阪急デザインシステムズ■H-UVで4万通しをこなせる耐刷性に満足。生産性向上により、通し枚数30%増、残業予算20%減。エイチ・ツー・オーリテイリングの一員として、プランニングから撮影、デザイン、印刷、Web制作までを一貫して手がける株式会社阪急デザインシステムズ(本社:大阪市淀川区野中南2-8-10、社長:田良尾博氏)は、環境配慮を追求する中で、2010年から富士フイルムの完全無処理CTPプレートを使用していたが、このほど、油性印刷からUV印刷への転換に伴い、高耐刷・UV対応の完全無処理プレート『SUPERIA ZD』をいち早く導入、2月から本格運用を開始した。取締役常務執行役員管理本部本部長新堀末次氏印刷部統括部長細野雅敏氏印刷部機長西尾勝氏プリンティンググループリーダー池田卓矢氏■油性からH-UVに転換、プレートの耐刷性が課題に阪急デザインシステムズが、印刷物の制作でつねに重要視しているのがCSR、とりわけ「環境への配慮」である。「クライアントである百貨店様でも、簡易包装などの取り組みを以前から進めていますが、当社としては、その包装紙を製造するための環境負荷を限りなく減らしていきたい。かなり早い時期からCTPの完全無処理化に踏み切ったのもその理由からです」(新堀取締役)そして昨年、パウダーレス化による品質向上、環境対応、生産性向上のため、油性印刷からUV印刷へと全面移行。当時は他社の無処理プレートを使用していたが、試行錯誤の連続だったという。「夏以降にようやく安定したのですが、耐刷性という大きな課題が残りました。UV印刷用のインキや洗浄剤はやはりプレートへのダメージが大きく、ハイライトの網点が影響を受けて、小さくなり色調が変わってしまう。8,000通しぐらいでその兆候が出ていました」(西尾機長)こうしたことから、同社は富士フイルムのUV対応無処理プレートの発売を心待ちにしていたという。そのため『SUPERIA ZD』の導入テストをいち早く開始し、さまざまな検証を実施。耐刷性も品質も問題ないことが確認できたため、すぐに本格導入を決定した。池田リーダーは、ZDへの評価をこう語る。「ZDの耐刷性は素晴らしいです。先日は4万通しを版1セットで問題なくこなすことができました。以前のプレートでは1万枚まで持たないこともあったので、それに比べると、版替え時間が大幅に短縮でき、生産性は飛躍的に向上しています。もっとも、UVインキですから通しが多くなるとZDでも多少のダメージはありますが、しっかりと網が残ってくれるのでインキを盛ることもできます。この耐刷性には非常に満足しています」■ZDの耐刷性を活かし、中ロットの仕事も内製化UV印刷のメリットを最大限に引き出せたことで、納期短縮、内製化率向上にもつながった。「UV印刷では、両面を1日で刷れるため、以前に比べ納期が丸2日ほど短縮されています。その分、外注に出していた仕事の内製化を進めることができました」(細野統括部長)内製化率を高められたのは、UV印刷だけでなく『SUPERIA ZD』の貢献が大きいと、細野統括部長は続ける。「中ロット以上になると、従来のプレートでは生産性が落ちてしまうため、外注せざるを得ませんでした。しかし『SUPERIA ZD』は、耐刷性に優れているので3万でも4万でも内製化することができます。生産効率が上がったうえに、幅広いロットの仕事を内製できるようになったことで、通し枚数は前年比30%増と、大幅に伸びています」生産性の向上は、社員の働き方にも変化をもたらし、それが経営的なメリットにつながっている。「印刷部門では、生産性が上がったことで残業時間が明らかに減りました。会社全体の残業予算は前年比で2割以上削減できています。通し枚数が3割増で残業代は2割減。この効果は大きいですね」(新堀取締役)同社は現在、大阪市北区に新社屋の建設を進めており、2018年春の竣工を目指している。この新たな拠点の完成を機に、環境対応・生産性アップへの取り組みをいっそう強力に推進していく考えだ。