ブックタイトル東プロだよりNO379
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東プロだよりNO379
「使いやすさ」を追求し進化を続ける完全無処理CTPプレート富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社最近の印刷業界の課題として、「コストと環境負荷をいかに低減するか」ということが挙げられます。そのためのキーワードの一つが「省工数」、すなわち作業や工程を減らすことです。これにより、生産性向上が図れ、資材やエネルギーの使用量削減、コストの削減、ひいては企業体質の強化につながっていきます。いま、こうした観点から注目されているのが、完全無処理CTPシステムです。■完全無処理化のメリットと機上現像のメカニズム富士フイルムは、完全無処理CTPプレートを10年前に世界で初めて商品化して以来、一貫してお客さまの「使いやすさ」を追求し改良を重ねてきました。2015年には、一般商業印刷向けの第4世代となる『SUPERIA ZP』を発売するとともに、新聞用完全無処理プレート『SUPERIA ZN』を世界に先駆けて実用化しました。完全無処理CTPでは、自動現像機がなくなることで、液交換やメンテナンスなどが不要になり大幅な「省工数」が実現するほか、現像液や水の使用、廃液がゼロになり、自動現像機駆動のための電気の消費もゼロ。さらに、有処理CTPに比べ大幅な省スペース化が可能になるなど、さまざまなメリットが得られます。富士フイルムの完全無処理プレートは機上現像タイプで、画像形成プロセスは図のようになります。まず、露光すると光が当たった部分が固まり、画像部になります。印刷機上で湿し水が浸透し、インキのタック(粘着性)により非画像部の感光層が剥離。剥がれた感光層はインキ中に微分散し、予備紙を介して排出されます。給水のみでは感光層が剥離・分散しないため、給水機構への混入・汚染が抑えられます。この優れた機上現像性により、「迅速な印刷立ち上がり」と「幅広い印刷ラチチュード」を実現しているのが特長です。■新聞向け技術を活かし高耐刷・UV対応を実現富士フイルムの完全無処理プレートは現在、国内で450社、ワールドワイドで4,000社以上の導入実績を有しています。これまでは油性枚葉印刷用途を中心に採用が進んでいましたが、最近では、短納期対応や高付加価値印刷に有効なUV印刷機の導入が増え、UV印刷での完全無処理化のニーズも高まってきました。そこで富士フイルムは、耐刷性をさらに高め、UV印刷機での使用を可能にした完全無処理プレート『SUPERIAZD』を開発しました。『SUPERIA ZD』では、ZPの基幹技術を引き継ぎながら、新聞用のZNで採用した高耐刷技術を投入するとともに、砂目技術も進化。これにより、感光層の重合反応がより高速化・効率化すると同時に、画像部感光層の強度を安定的に保持できるようになり、耐刷性・UV適性・耐汚れ性が一段と向上しました。この『SUPERIA ZD』はすでに導入が始まっており、LED-UV機で5~10万枚、H-UV機で3~6万枚、オフ輪機で25万枚、ビジネスフォーム機で1.5万枚の実績を挙げています。なお、FFGSでは、印刷現場改善支援ソリューション『Eco&Fast Printing』において、無処理CTP、UV印刷の導入・課題解決のサポートを行なっています。スムーズな立ち上げ、安定運用のために、ぜひご活用ください。