ブックタイトル東プロだよりNO349

概要

東プロだよりNO349

6 No.349業界情報 Industry information　印刷産業の大半は一般印刷業ですが、包装業界も同じ印刷産業です。このパッケージ業界は箱造りがポイントのため、これまで一般印刷を生業としてきた企業とは近くて遠い市場でした。しかし最近では、カッティングプロッターやインクジェット印刷機などによりCADデータをもとにデモ用の箱や小ロット販促用のパッケージ等を制作する印刷会社が登場するようになりました。　パッケージ市場は商品を包む印刷物という意味合いからも、最後まで残る市場として注目を集めています。またデジタル技術の登場により、包装業界の市場も大量生産から多品種小ロットまで多様化し、競合他社も増えてきているといえます。　そうしたパッケージ業界の市場ニーズについて、メッセ・デュッセルドルフ・ジャパンがまとめている内容をみると、『軽量化』『コンパクトな容器』『安全性・トレーサビリティー』『高級化』などが挙げられます。コンパクト化やトレーサビリティーに関しては日本の方がやや進んでいるようですが、例えば軽量化では9.9gという軽量のPETボトルの容器にデジタル印刷機で直接印刷することでラベルや接着剤が不要になるというコンセプトを紹介している企業があります。また高級化の内容では、金属容器に3Dコーティングをしてオフセット印刷と仕上げ塗りとレリーフ圧印加工をコンバインする技術の開発や、フォイル加工した高級化粧箱、触れると輝く箱や温度を示す箱などの“機能的包装”などが話題になっているということです。　大日本印刷（DNP）の子会社であるDNPアートコミュニケーションズは、独立行政法人国立美術館が運営する美術館の所蔵作品画像データ貸出サービスを開始しました。4美術館とは、東京国立近代美術館（東京都千代田区）、京都国立近代美術館（京都府京都市）、国立西洋美術館（東京都台東区）、国立国際美術館（大阪府大阪市）。　同サービスは、国立美術館が所蔵する代表的な作品約1,000点の高精細なデジタル画像データを有料で貸し出すというもの。DNPアートコミュニケーションズのウェブサイト「Image Archives（イメージアーカイブ）」から、使用したい作品の貸し出しの申し込みが行え、受け取りはサイトからのダウンロードかCD-Rでの送付を選択できるようになっています。この画像データは、出版物（書籍、雑誌、教科書、教材等）、TV番組・ビデオ・DVDなどの映像、デジタル商品（電子書籍等）のほか、広告や商品などに利用できます。包装業界にみる紙メディア市場世界共通ニーズありDNPが国立美術館4館の所蔵作品データ貸出サービス開始クロード・モネ「睡蓮」 1916年。国立西洋美術館蔵。上村松園「舞仕度」 1914年。京都国立近代美術館蔵。